冬に薪ストーブライフを楽しむためには薪は大切な存在。オフシーズン中の薪の保管方法はとても重要です。
邪魔にならないように敷地の空いたスペースにただ薪を置いておけばいいのかといえばそうでもないんです。
では一体どう薪を保管しておけばいいのか。
薪ストーブで使用する薪はしっかりと乾燥させる必要があります。
また、それと同じくらい大切なのが、薪を保管場所からストーブまで運ぶ動線の確保です。
乾燥と動線。このたった2点で薪ストーブライフの快適さが決まると言っても過言じゃないんです。
薪の保管方法と保管場所
薪の保管はとにかく乾燥がポイント。目指せ含水率20%以下。
そして考えなくてはならないのが、シーズン中は寒空の中、薪棚と家の中を行ったり来たりすることになります。
想像してみてください。あの、冬の凍える屋外を…
快適な薪ストーブライフのために、保管方法と保管場所は切っても切ることができない重要な要素です。
土の上に薪を置いておくのはNG
薪を置く場所が例えば、土の上だとしたら、地面から湿気が立ち込めて、薪に水分が染み込んでしまいます。
湿気は大敵で、さらにシロアリなどが好む場となってしまうため避けなければなりません。
らくまき庵では、敷地の空いたスペースに薪棚を作りました。
土からの湿気を避けるためしっかりとコンクリートを打つことで地表からの湿気をシャットアウトできます。
コンクリート打ちが難しい時は、薪が直接地面にくっつかないようにすると良いです。
薪は保管しながらしかもできれば、眺めて楽しめるようにして乾燥できれば快適です。
薪棚設置で湿気対策
薪棚を設置する目的は湿気対策です。風の通り道をつくることで乾燥しやすくする効果が高まります。
コンクリート打ちをした面から少し浮かせて、空気の通り道を作るのがポイントです。
コンクリートブロックを一段置き、その上に薪棚の土台を作っていますが、これで地表からの湿気を防ぐことができます。
薪を雨から守る屋根
薪を雨から守る屋根も必須です。いくら地表からの湿気をシャットアウトできたとしても、薪が雨ざらしでは意味がなくなってしまいます。
集めた薪の上にトタンやビニールシートなどを乗せておくだけでも簡単に雨よけができます。
ただ、積んだ薪にトタンなどをのせるだけですと、薪を使うときや保管する時に、雨よけを外して戻しての面倒な作業がついてきてしまいます。
らくまき庵では、薪棚に屋根を設置することで、雨対策はもちろんのこと、薪を運ぶ時にも作業の邪魔にならないようにしています。
シーズン中の動線のためのもう一つに薪棚
らくまき庵では、乾燥させるための長期保存する薪棚と、シーズン中に屋内の薪ストーブへ運び込みやすい勝手口開けてすぐの薪棚の2箇所を設けました。
薪ストーブシーズン中は、勝手口近くの薪棚を使用しています。
薪の乾燥具合の見極め
薪の乾燥具合を判断するには含水率計を使うのが一番ですが、安いものでも2,000円~3,000円します。
らくまき庵ではダッチウエストジャパン デジタル含水率計 MD-826を使用しています。
もちろん毎回含水率計で測ってから薪を使うということはなかなかできません。
入れては燃えない、入れては燃えないを何度も繰り返しながら少しずつ勘所のようなものをつかむことも必要です。
今では、薪をみれば、乾燥具合がほぼわかるようになりました。
薪の切り口にビビが入っているか、もしくは、薪と薪をぶつけて、乾いたような、高いカーンというような音がすれば薪はしっかり乾燥しています。
含水率計を使うか使わないかはそれぞれだと思いますが、らくまき庵では今のところそれを使わないというライフ選択をしているということです。
犬走りは緊急措置利用
ちなみに・・・最近、煙突のあるお家で、家の犬走りの上に外壁にもたれ掛けるように保管されている薪があります。
確かに、軒下になっていて雨よけができる点ではいいのかもしれませんが、できれば避けたいところです。
というのも、緊急処置として置くのはいいのですが、長期でおくとなると、薪を外壁にもたれ掛けでいるために、壁側は空気の通り道がなく、湿気がこもってしまうことになります。
薪棚設置がおすすめ
しっかりと乾燥した薪を作るのは時間がかかります。
でも、薪を薪棚に積んで数年後の冬支度のために薪が乾燥するのを待つって丁寧な暮らし方に感じます。
薪棚を作るなどして、薪の保管場所が整ってしまえばもう簡単です。
薪作りをして、しっかりただひたすら薪棚に積んでいくだけ。
薪を積んでいくと、その薪によって目隠しになりますので塀がわりにもなります。
薪棚の後ろ側も対策必須で、大切な薪が転げ落ちてしまわないように、風が通るくらい隙間を空けて木を横に打ち付けています。
というのも、切ったばかりの木は水分をたくさん含んでいて(含水率50%)、薪としてすぐに使うことができないため、1年~2年は棚に積んで乾燥させる(含水率20%以下、理想は17%以下)ことになります。長い長い付き合いになるので、眺めて楽しめたほうが断然いいですよね。
乾燥した薪は少々濡れても大丈夫
木を切り出して集めた薪がすでに乾燥していたらいいのですが、そんなことはまずないので、すぐには薪として使うことができない。
毎年毎年、薪は腐らせないように大切にしたい。
ちなみに一度しっかり乾いた薪なら、雨の日に薪棚から持ち運ぶ時少しくらい濡れても中まで水分が浸透することはないのでご安心ください。
ストーブの横に、次に薪ストーブに投入する分としてストックしている間に濡れた表面も乾いてしまいます。薪ストーブは、雨が降り続く日も楽しめるんです。
乾燥機付きの薪小屋があれば、早く乾燥させることができるかもしれませんが、薪の販売でもやっていなければ乾燥小屋を設置するなんてことはあまりないと思います。
焚き付け用の木について
薪ストーブを焚くのに、いきなり太い薪を放り込んでも火はつきません。
焚き付け用の薪(長さ:30~50cm、太さ:2~5cm、入れる数:10本くらい)が必要。
細い薪は、太い薪とは違い、薪棚に積むとバラバラになりやすいので、土のう袋に入れて薪棚に積んでいます。
これなら、いざ使う時も簡単で、袋ごと薪ストーブ近くまで持ち運ぶことができます。
ただ、土のう袋は紫外線に弱く、1~2年くらいでパラパラとクズが出てくるようになるので注意してください。
クズが出てしまうようになったら、新しい土のう袋に入れ替えて運ぶのが良いです。
土のう袋は便利ではあるが、決しておしゃれではないのは一目瞭然。
薪ストーブの周りに薪を置く雰囲気からこだわりがあるならおすすめはできないです。
最後に・・・
集めた薪を薪棚に積んでいくと、楽しくなってきます。
気が向いたら薪を集める、のらくまき庵ですが、一度スイッチが入れば一気に作業。
陽が落ちてからもせっせと薪を薪棚に積むこともあります。1本も無駄にはできません。
薪棚が埋まると、もうすでに冬が待ち遠しい。
数年後の冬仕度を数年前の春から行うなんて、一見大変なようですが、日々を大切に、充実した暮らしができています。
薪は簡単に購入することもできますが、慣れてしまえば薪を準備する楽しみも生まれてくるので、是非、気負わず、楽しみながら薪集めを!
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